相撲部屋併用 完成後の様子

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相撲部屋併用住宅 竣工写真

設計のポイント

開発の進む幹線道路より、数十メートル、内に入った住宅地に位置する敷地です。
この地域は、低い木造住宅やちょっと高い建物が混在しています。幹線道路の喧騒とはうって変わった、交通量も比較的少なく落ち着いた町並みです。

計画のポイントは2つです。
A、町並みに圧迫感を与えないための配慮。
B、「力士」という特殊なアスリートが生活し易い環境。


これらのポイントをクリアするため、勝手口廻りに緑を配し、建物は道路より後退させました。そして外観はレンガ色のタイルと緑錆銅版の玄関で構成する事で圧迫感を抑えました。
「力士」というアスリートが生活するため、内部空間は、あらゆる場所の“サイズ”と“湿気”に気をつけました。湿気対策は 快適な通風の工夫をする事や「シリカゲルという乾燥剤を計1t近く」を各階、各室の床下にくまなく入れる事で、カラっとして、且つ、嫌な匂いが立ち込めない内部空間を実現しております。

クライアントとの出会い

寺尾関の熱烈なファンの知人に誘われ、井筒部屋の餅つき大会などの催し会に行くようになったのが、後のクライアントである寺尾関(現:錣山親方)と女将さんとの出会いでした。

寺尾関が引退し、錣山親方となり、部屋を興そうとしていることを知り、「何でもいいから何か手伝いでもできれば自分の設計の勉強にもなる」と考え、親方と女将さんにアプローチを図りました。

女将さんと会う機会を持つことができ、自分なりに考えた案を形にした模型と図面で説明をしたところ、親方が直接あってくれるという連絡があり、お会いしたところ、その足で、そのまま一気に数件の相撲部屋を見て廻り、移動中、2-3の要望を伝えられ、「じゃあ、宜しくお願いします。」と云われました。

そこから、本格的な設計が始まりました。

クライアント・インタビュー

岡松建築設計事務所へ依頼されていかがでしたか?

(親方)
・ お世辞抜きでとても良かった。完成後のメンテナンスもきっちり相談にのってくれて完璧。

・ 施主の言うことを一生懸命聞いてくれて、施主の要望をきちんと建設会社に伝えてくれる。

・ 工務店との関わり方が良い。施主の利益保護を念頭に結構厳しい事を言っていたけど、かといって
   工務店との関係も悪くないのが良い。

(女将さん)
・とても誠実、 大正解 !岡松さんにやってもらうと何倍も得をした気になる。絶対におすすめ。
岡松建築設計事務所にご依頼された決め手は?

(親方)
・ 人柄できめました。

(女将さん)
・ 運命的なものですね。最初は設計士に頼むなんて考えてもいなかったので断わろうと思っていた(笑)
こだわったポイントは?また実際に完成してみてどうですか?

(親方)
・ 天井の高さ。特に弟子たちが使うところは、のびのびと生活できるようにしてあげたい。実際に満足。

・ トイレの広さ、便器の大きさ(力士用便座と普通便座を併用)。実際に問題なし。

(女将さん)
・ 生涯の家として、住宅部分はもとより、相撲部屋部分、相撲部屋と住宅の動線に気を使った。

・ 体が資本の力士のため、できるだけ「良い」といわれる設備を入れた。2階広間の全面床暖房など。
お気に入りのスポットがあれば教えてください。

(住宅部分)
(親方)
・ 屋上の景色。360度のパノラマ。両国界隈や清澄庭園の緑が見える。

・ 収納が多くあるのでいい。(部屋部分も同じ)

・ 6階の廊下。片側に部屋が並んでいて、反対に大きな窓があり好きだ。

・ 子供部屋のロフト。

(女将さん)
・ 5階リビングの広々とした開放感。和室の襖を開ければ和室との一体感がある。

・ 5階のバスルーム。天井が高く、湿気がこもらない。また風通し・水はけも非常に良い。
   出窓に何も置かないので部屋に広がりを与えている。  

・ 5階玄関に入って正面のステンドグラスがアクセントになっていてすてき。

・ 5階トイレに、トイレ用品以外の物入(本棚や小物)をつけてもらったのが便利。

・ 5階ダイニングテーブルに組込式のIH調理器を付けたので、鍋などをするときに重宝。

(併用部分)
(親方)
・ ちゃんこ場(厨房と食べる所)は、使いやすいと思う。

・ 収納が多くあるので良い。(住宅部分も同じ)

・ 窓がたくさんあって、明るく風通しがいい、開放感がある。

(女将さん)
・ 厨房を大きめに作ってよかった。大きな身体の力士が数人入ってもスムーズに作業できる。

・ (普通は相撲部屋の玄関を入って感じる、男所帯特有の?)匂いが無い。

・ 風通しがよく、乾燥している。(カラッとしている。)
実際に住まわれてみて、こうすれば良かったと思う場所はありますか?

(親方)
・弟子がここまで増えるとは思っていなかったので、標準的な広さの稽古場にした。稽古場をもう少し広く
  取っておけばよかった。

・1階部分の扉の素材を和紙でなく、汚れ、剥がれ、擦れが少ない素材にしておけば良かった。

(女将さん)
・ 計画当初想定していたことについては満足している。

・ 嬉しい悲鳴だが、弟子がこんなに増えるとは思っていなかったので、ロッカーの数が足りなくなった。
  (力士、呼出、床山で20人を超える)

・ 雨の日に、洗濯物を干すスペースをもう少し確保しておけば良かった。(想定外に人数が増えた。)

・ 6階のシャワールームの色調をもう少し明るくしておけば良かった。シックになり過ぎた?

・ 本宅の本棚は隠すより、蔵書が見えるつくりにつくっておけばよかった。


相撲部屋併用住宅親方と相撲部屋併用住宅女将さんと。

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